Review / Iuhuman Rampage Premier Live in Japan - 06th December 2005

 

 12月6日・高田馬場 Club 1ne 2woにて、DragonForceの再来日公演は行われた。今月末28日に発売の新作「Iuhuman Rampage」のプロモーションライブとして急遽発表されたこの公演、発表から実施までが約1ヶ月しかなく、情報が伝わるか、チケットの売れ行きはどうかと気にかけていたが、そんな心配は無用だった。会場には約450人のオーディエンスが集まり満員御礼!バンドのTシャツを着ている人もちらほら見かけたが、残念ながら(?)本国UKのようなプラソードは見られなかった。

 定刻を少し過ぎた頃に会場が暗転、なぜかDFの曲調とは正反対のスローな曲が流れ終わると、オーディエンスからは早くもDragonForceコール!それに答えるかのように "we're from London, England. The heartbreaking, evil mother fucker, king of speed, the fastest band in the fuckin' world... DRAGONFORCE!!" というお決まりのテーマソングと共にDave、Vadim、Fredericが腕を広げてアピールしながら登場!絶妙なタイミングでステージ袖から飛び出してくるHermanとSamのギターコンビがセンターでBlackFireのイントロを弾くと、待っていましたとばかりの歓声が会場からあがる。最後にZPが出てきてショーは幕を開けた。

 音の抜けがやや悪く、その割りにコーラスマイクのボリュームが大きく感じたが、会場の反応は良く、サビのラストの部分の「Black Fire!」などのバンドとの掛け合いもなかなかだ。
 2曲目のFury of the Stormまでを一気に駆け抜けたところで、ZPが
「こんばんは、TOKYO!日本に戻ってこられて嬉しいです!・・・Fields of Despair!」と日本語で挨拶をしてプレイされた3曲目のあとに、またもや日本語でのMCをするZP。「次は新しいアルバムIuhuman RampageからのThrough the Fire and Flamesという曲で、東京で特別にプレイします!」 会場のあちこちからの「ありがとう〜!」という声はステージ上のメンバー達にも届いたであろう、とても嬉しかったに違いない。私も感動した。この曲は本当に、ここ東京で、この日初めてプレイされたのだが、メンバーが各地にプロモーションに出ていて居なかったりという事情で、リハーサルは数回しか出来なかったとのこと。その割には上出来だったと思う。

 5曲目のBlack Winter Nightあたりから、ZPの歌が高音部では少し辛そうな時もあったが、Hermanがギターで上手くそれをカバーしていたと思う。
 「
携帯電話だして・・・」と言ってライトの明かりを求める曲はバラードのDawn Over a New Worldだ。疾走曲オンパレードなので、バラードは一際メロディの綺麗さが際立って、印象に残る場面だと思う。
 ここでメンバー全員はステージを一旦降りて、Vadim1人が白いローブのようなものを羽織って登場、デスボイスになっているマイクを通しての前フリは聞き易いものではなかったが、彼いわく「
パワーメタルキーボードソロ」の始まりだ!バックトラックに乗せて激しく動きつつも、鍵盤の上を自由自在に動くその指運はお見事。最後には指だけでなく、あごや舌先(!?)まで使って弾いていた。

 続く曲の為に「会場には何人のsoldiersがいるかな!?」というも、「2人。ステージには6人いるよ。オーライ!」と、ちょっとずっこけたが、恐らく彼のシャベリが早口で分かりずらかったのだろう。素早く仕切りなおして「1.2.3!yeah!」という掛け合いからSoldiers of the Wastelandはスタートした。キーボードソロをはさんで、ZPの歌唱がやや復活したのは良かった。中間のインスト部では皆でジャンプ!私はこれはなかなか好きなのだが、体験された方はいかがだっただろうか?ショーのあいだ、たびたび会場全体の反応を見回すことがあったが、前方は勿論、後方も結構盛り上がっていたのは素晴しいと思った。

 8曲目のRevelationsでは、HermanとSamによるクロスギタープレイが見られたし、他の曲のところどころのここぞというキメ!の場面もしっかりまとまっていて、ばらばらに好き勝手動き回っているように見えても、実はステージングがだいぶ決まってきていると思う。同時にZPは一体、何本のペットボトルを会場に投げるのだろう!?10本?15本?かなりの数で、ちょっとやりすぎではないかとも思う。間奏やギターソロ時に煽ったりも結構しているし、かなりそれが上手になったとは思うが、他のパフォーマンスを取り入れたらもっと良いのではないかと思った。ベースはサポートメンバーだったのだが、引きすぎ出すぎず、上手く他のメンバーを上げていたと思う。

 次く9曲目への曲フリは一瞬その時にタイムスリップして、そこから今までを思い起こさせるようで、個人的に感動的だった。日本のファンにとってはとても嬉しい言葉だったのではないだろうか。「次の曲は、約2年前に、ここ東京でハロウィンのサポートの時に初めてステージでプレイした。いつも新しい曲は東京でプレイするな!ははは!」 そういってDaveのドラムから始まったMy Spirit Will Go On は、その初めて聴いた時より格段にバンドの曲として消化され、パワーを増し、ショーの本編ラストを飾った。

 DragonForceコールの中ステージに戻ってくるメンバー。さすがはロンドン拠点のバンド、実にイギリスらしい表現の仕方で「Not bad, Not bad!(悪くないね)」とHermanは言っていたが、つまりは「とっても良いな!」ということだ。ZPはこの日2回目の「なんで日本でプレイするのはこんなに楽しいのだろう!?」とのセリフ。Daveは缶ビール片手に日本語で「かんぱ〜い!」とか言うし、バンドもショーを楽しんでいる様子が良くわかる。そんな明るいムードにふさわしい明るい曲、Heart Of a Dragonをアンコール1曲目としてプレイした後は、今回の来日公演の立役者?バンドは彼らの所属するレコード会社ビクターの担当氏にありがとうを言いたくて、ステージ上から彼の名を呼ぶも、残念ながら姿は見せてくれませんでしたね。これで登場してくれたらもっと盛り上がったのに!と悔しかったぞ。

 「ラスト1曲・・・Valley of the...what!? 」とオーディエンスに問いかけると返ってくる答えは勿論「Damned!」だ。やはりラストはこの曲、Valley of the Damnedだ。後半部では、前任ベーシストが居たときの様な、弦楽器隊3人でのクロスギタープレイが観られて良かった。そして先のUKツアー同様、ラストではSamはクルーに肩車をしてもらってステージ向かって左側からオーディエンスの中を移動!こういったサプライズは単純に見ていて楽しいものだ。そしてステージに戻った彼はギターをZPに渡し、最後のキメの音と共に、ドラム台の上から開脚ジャンプまでしていた。本当に、皆、オーディエンスもバンドも、楽しそうなショーだった。

 その証拠に(?)、ライブ終了後にはなんとバンドの希望によりサイン会を行うとの場内アナウンスが!ライブで汗をかいた後のあの寒空の下にも関わらず、約300人がサインをもらうべく列をつくったのだが、最後の方まで2時間くらいかかり・・・ファンの皆やスタッフの方々、メンバーも風邪ひかないかな?と心配した。
 ライブの盛り上がりを示すようなことがもうひとつ。ロビーで行われていた物販では、会場に来ていたオーディエンスの
約半数がTシャツを購入していったそう。それだけ汗をかいたという事!?

 DragonForceのやろうとしているような、型破りというか、ある意味新しい形のことは、初めはよくも悪くも言われるものだが、信じる道をまっすぐハイスピードで進んできた結果、それが少しづつ評価されてきているように思う。前回の来日時での色々な悪評(?)も、今回、しっかりと見返すことが出来、このショーをはじめとして、今回のプロモーション来日は、確実にこのバンドの日本での今後の活動にプラスに左右したと思う。バンドも今回のショーが持つ意味の重要性を理解してたからだろう、いつもより丁寧にプレイし、真剣な様子がひしひしと、とてもよく伝わってきた。

 しかし、これは何度か彼らのショーを観ていて、比較する対象があるからの意見なのは承知しているが、確かにショーは悪くは無かった。随分と成長したなと思う。だが、私としてはいまいち欠けるものを感じた。ショーとしてはそれなりに上手くこなしているが、エナジー(テンション)が低い。言葉にするのが難しいのだが、彼らのステージには、音の良し悪しや理屈ぬきにした、直感的に感じるパワーの様なもの、これだけハイスピードで突っ走っているからこそ見える景色のようなもの・心動かされるものがあると感じているが、今回はそれがあまり感じられなかった。DragonForceというバンドは、もっと良いショーを出来る事を知っているし、もっと上を目指せるバンドだとも思う。だからこそ、今回のショーに対する私の評価は75/100点、星の数で言えば3.5/5個だ。次ではもっと上を期待しています。
 これからも相変わらずのスピードで好き勝手進んでいってほしい。私もそれに遅れることなく同じスピードで進んで、色々な景色を見ていきたいものだ。
日本にきてくれて本当にありがとう。

 

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